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My Teacher番外編 シンデレラのカウントダウンは、苦い蜜の味~5



ユチョン先生とホールドを組む。
だめ、まともに、顔があげらんない。



もう、心臓が、のどから飛び出しそう。


スローフォックストロットは、難しい。



まだ、あんまり、レッスンで
踊っていない種目。



腰のコンタクト///


ユチョン先生の足だと
意識したら・・・・、



恥ずかしくて
くっつけられない。
それで、腰がひけちゃってる。



あっ!!



後ろの人にぶつかってしまった。



う、動けない。



「大丈夫?混み合ってきたから、
ブルースのステップでいいかな?」



「は、はい。・・」



私がついていけないのに、気づいて、
ユチョン先生は、踊り方を変えてくれた。



ブルースは、スローと同じ曲で踊るけど、
シンプルなステップの繰り返しだから、
初心者でもおどりやすい。



その分、カップルが、
ぴったりボディーをくっつけて、
まるで、チークダンスのように
踊ることも多い。



ユチョン先生も、軽くホールドを崩してきた。



先生の顔が近い!!



はあ、ユチョン先生の匂いが、
私を捕らえようと、降りてくる。
いつもしている、オーデコロンに
先生の汗が混ざって、
私の身体を抱き締める。



息を吸いこむだけで、
ドキドキして泣きそうになる。



ユチョン先生が、私を見下ろしながら、
声かけてきた。



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「大学で競技ダンスしているの?」



「・・・・・・・」



「すみません。N女子大って、聞いたから。
競技ダンス部なのかと思って、違うのかな?」



「・・・・・・・」



「話すのは、苦手ですか?」



「・・・・・・・」



話せない(/_;)
ばれちゃうかもしれないし。



「武志先輩と一緒に来られたのに、
僕が、ダンスの相手をお願いして
すみません。
実は、あなたに、
とても似ている女の子を知っていて、
つい、お誘いしてしまったんです。」



「・・・・・・・」


やばい、女の子って、私のこと?
疑ってる?
(+_+)、どうしよう。



私は、顔をなるべく、
ユチョン先生とは反対のほうに
むけて、そらせるようにした。



横から、顔を、見られてると、
思うと、


もう、
顔が火照ってしまって、
煙が出てしまいそう。



「いや、その子は、受験生なんで、
この受験直前の時期に、
パーティーに来てるわけないんですよ。
違う方ってのは、わかっています。
でも、結構似てるから・・・。
もしかして、従妹で高校生もおられます?」


気づいていない・・・の!?
なら、
ちょっとは、話さないと、
変に思われるよね。
私は、顔をそむけたまま、


「いえ、いないです。
あ、でも、親戚は多くて、
似た人もいるかもしれません。」



私が思わず、言葉を返した時、
ユチョン先生は背中をホールドした
右手に、ぐっと力を込めた。
まるで、
自分の懐に引き寄せるかのように。



だけど、私は、それに気づかないほどに
身体を硬く緊張させていた。



フロアは、歩幅も出せないぐらいに
人でいっぱいになり、
動きづらいので、
その場で、stepを踏んでいく。



まるで、ユチョン先生と
身体を寄せて抱き合ってるみたい。



さっきまでは、
動転して気づかなかったけど
ユチョン先生のリードは、とっても優しい。



プロの先生や、
競技ダンスしている大学生とは違う。
何か、ほんとに、
エスコートしているかのように、
優しくホールドしてくれる。



ずっと、ずっと、
先生と踊りたい、っと、思っていた。



・・・・・・・そうだ、忘れていた!
記憶が、ふわっと思い出された。



ううん、


忘れていたんじゃない。
あえて、その思いは、封じ込めていたんだ。



バレエをしていた、私が、
ダンスを習うことになったのは、
ユチョン先生が、
ダンスを踊れるって聞いたから。



高校の体育で、
ダンスの体験授業があった時に
ユチョン先生が、私にだけ、
少しだけ、教えてくれた。



古い映画が好きで、
ダンスシーンにあこがれていた私。
いつか、ユチョン先生と踊れたらなって、
乙女心にも、夢描いて~~~・・・・



でも、一生かなわない夢だともわかっていた。



自分の世界に入り込んでいた私は、
ふと、ユチョン先生から、
何も言葉がこない・・?
と気づき、



右を向いて、先生の顔を伺った。


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先生は、こちら側をじっとみていた。



目があってしまった、



ユチョン先生の瞳に吸い込まれそう、
もう離せない。



私の眼を、じっとみつめて、
先生は何を考えて・・・?



はっと、私に気づいたかのように、
ユチョン先生の顔が
笑顔に変わる。
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「もうすぐ、年越しですね。
年忘れですから、
ただ、ダンスを楽しみましょう。」



「そ、そうですね。
いろいろ、忘れて・・・・」



そう、今は、ただ、ただ、
ダンスを楽しもう。



気持ちの良い、波の中で、
私を揺らしてくれている、
素敵な男性は、武志兄さんのお友達。



今だけは、ユチョン先生を、一人占め。
顔は平静を装いながら、
身体は、熱くなってくる。



心の、壊れそうなほどのドキドキは
誰にも知られない秘密にすればいい。




そして、いつまでも
二人の時間が、続いてくれれば…


シャンパンで、ほろ酔いの私は、
うっとりと、浸り始めていた。



画像おかりしました…ありがとうございます

by paku6002 | 2015-03-08 16:03 | My teacher