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My Teacher番外編 シンデレラのカウントダウンは、苦い蜜の味~6


「今年も残された時間は10分あまり。
ダンスナンバーも、あと3曲となりました。



今年のラストワルツは、
本日、一緒にいらした、
皆様の大切なパートナーと踊って
いただきたいと思います。
今のうちに、是非とも
パートナー同士、組んでいてください。」



司会の声に、はっとした私。
何を浸ってたんだろう…



私は先生のパートナーじゃない‼



ダンスパーティーでは、最後は、
それぞれに一緒に来たパートナーと踊るもの




私は・・・



たまたまパーティーで出会っただけの女



一気に、現実に引き戻され、



ユチョン先生の手を振りほどくようにして
体を離した。



「ありがとうございました。
とても素敵なダンスでした。では、」



ユチョン先生には、
目も合わせずに、軽く会釈して、
そのまま、からだの向きを変えた。



立ち去ろうとヒールで歩きはじめる、
と、体が急にバランスを崩した



気づくと、
ユチョン先生の胸元に
垂れかかる体勢で、
ようやく支えられて立っていた。



「キャ!すみません。」



でも、



私がつまずいたのではなかった。



ユチョン先生が、離れようとする私の体を
引き寄せたのだった。



びっくりして、みあげると



少し申し訳ない、という表情をしてから、
「次の曲も、お相手願えませんか?」



「え?でも、
ラスト3曲はパートナーのかたと…
って・・・・?」



「僕は、あなたと踊りたいんです。」




「それに、・・・先輩は
このフロアにいないみたいですよ。」



ほら、という表情で
周りをみまわすよう、私に促した。



武志お兄ちゃんは、
外でナンパ中だろうから、
会場には見当たらないはず。




「でも、ユチョン先生は、
一緒に来られてますよね・・・・」



はっ(゜゜;)



いけない‼
ユチョン先生、って
思わず言ってしまった。



名前を、知るはずのない私が…



上目使いにこっそりと、みると
ユチョン先生は、特に気にかけた様子もなく



「もう曲も始まってるし、
ほら、じっとしていると
みんなのじゃまになってますよ」



そう、すでに
周りは、タンゴのステップを踏みながら
動き出していた。




好きな曲だ(*^^*)



ユチョン先生は、返事を聞く前に
アームのホールドを、
タンゴの形に変えて、
ぐっと私のボディを引き寄せた。

         

腰の密着度が増す。
タンゴは、太ももの内側に、
より、テンションを感じる



ドレスとタキシードが
ユチョン先生と私を隔てているはずなのに



先生の体温を感じる。
全身が、ほてって、
とっても、熱を帯びてきている。



タンゴは、情熱的なダンス。
とっても、メリハリのある、リード。



きりっとしたダンス
表情も変わってくる



My Teacher番外編 シンデレラのカウントダウンは、苦い蜜の味~6_f0332339_18020892.jpg


ユチョン先生、かっこいい。



でも、ユチョン先生は、
あの人のもの。


私には手の届かない人。



「やっぱり、パートナーが私では、
いけないんじゃ・・・・」



「気にされているんですか?
大丈夫です、彼女は踊れないんです。」



「え?では、余計に申し訳ない!」



「いえ、パーティーに来たがったのは彼女です。
踊るつもりは、もともとなくて・・・
でも、彼女は、パーティー自体が好きで、
外で友人と、楽しくやっていますよ・・・・・」



ユチョン先生の明るめに話す言葉とは、
違って、なぜか、先生の寂しそうな表情



やはり、パートナーさんと、踊りたかったんじゃ?



その瞬間、くるっと回転させられて、
スイブルから、コントラチェック



「気にしないでください、
タンゴを踊りましょう。」



タンゴの、ラ・クンパルシーダの
愛の調べが、
二人のダンスをつつんでいく。



ラストワルツの前の曲は、
ジルバだった。



パーティーダンスの中では、
一番、好きなダンス。



男性のリード次第で、
とっても、はじけることができる。



楽しい。



アメリカ映画で、
高校生の卒業プロムとかで、
カップルが踊ってるのに近い。



高校にも卒業パーティーがあればいいのに。



あ・・・だめだ、
うちは、女子高だった。
カップルでは踊れない。
男の先生が大変だし、
ユチョン先生が、ひっぱりだこになっちゃう。



いやいや、校長先生はじめシスターたちが
男子と組むなんて、許すはずもない・・・・・



ちょっと、先生は苦手なのかな?
控えめなリード。



もっと、振り回してほしいな(#^^#)



私は、いっぱい、回転させてもらって、
くるくる回りたい。



ちょっと、先生のリードに対して
大目に2回転ほど自分でまわっちゃった。



ユチョン先生の目が、
丸く大きく開かれて、
すぐに、
にやっっと笑顔になった。



先生のリードが変わった。
そして、あおるように、
わたしの手をあげて、
手首を回転させる



1回、2回、3回、4回
5回転。



凄い、上手く回れた❗



手と手だけが繋がれて、
すれち違ったり、
ひっぱりあったり、
そして、回転したり
ビートの効いた
音楽にのって、



私は、知らず知らず、10代の顔になって
はしゃいでいた。



ユチョン先生のいたずらっ子ぽい笑顔
いつものお茶目なユチョン先生




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もう、今は
今だけは
全てを預けてしまおう。



このパーティーが終わるまで、



私は12時過ぎたら、
消えてしまう、


そう、


シンデレラのように



画像おかりしました。

by paku6002 | 2015-03-15 19:57 | My teacher